奈良の西ノ京にある代表的なお寺、薬師寺は「人々の病気や災難を除き、健康と幸福をあたえてくださる」と信仰を集めている薬師如来像があるので有名です。「薬師」とつくだけで、仏像の中のお医者さんというイメージですね。私の父に病がわかったときには、何度もこの薬師寺で手を合わせたのを思い出します。
こちらの薬師寺では、決まった日に名物?ご住職様からのお話しきくことが出来ます。そのお話しがとても分かりやすく楽しいのもこの薬師寺の魅力の一つです。私が伺った際のお話しで、まず第一声で聞かれたことがあります。
「今、あなたは健康ですか?」
健康だと思う人は、手をあげてください。そういわれたときに、その場でお話しを聞いていた50名のうち、すっと手をあげたのは3名ほどの方でした。その方々がとても健康に自信があったのか?本当に健康だったのかは定かではありませんが、私を含め手をあげられなかった人たちはなぜ固まってしまったのかをしばらく考えました。
あの日から数年、漢方を学んだ今、私は、私なりにこの質問に対しての答えを判断し出せるようになったと思います。あの時の私は、ご住職様からの質問を受け「健康」って何だろうと戸惑い、判断できず、自信を持って手をあげることも、下げておくこともできない状態だったんだと思い出しました。
今、こちらを読んでくださっているあなたは「今、健康ですか?」